沖縄の夜空に残る恋の記憶

綺麗な心

様々なアプリやサイトを食い荒らし、バカみたいな出会い経験も多い自分だが、遊んでエッチしてチュッチュッして終わりな経験ばかりではない。

 

中には忘れられなくなる恋もあった。

 

 

それは今でも心の奥に残る大切な記憶。

 

 

 

季節は4月下旬、沖縄の観光にはちょうどいい季節だった。

 

僕はこの沖縄に会社で旅行で行く時でさえも、出会いアプリに種を仕込んでいた。

 

 

 

作戦は旅行の1か月前から実行した。

 

まず、検索で地域をいつもと違う『沖縄』にしてターゲットを絞る。

 

あとはいつも通り、メッセージを複数送信して仲良くなれる女の子と親密を深めておき、会える直前まで持って行った状態で、まめに連絡を取っておく。

 

旅行で沖縄に滞在する日を女の子に連絡し、旅行のトラベルスケジュールのフリータイムを早めにチェック。

 

会う時間を旅行前からセッティングしておくのだ。

 

仕事ではここまで先を読めないくせに、こういう読みはいつもバッチリだった。

 

 

 

1ヵ月も前に撒いた種は見事に実を結び、旅行の一週間前には一人の女性と仲良くなる事に成功していた。

 

彼女の名はレイコ 22歳の社会人であった。

 

 

 

旅行当日、飛行機に乗る前にLINEを入れた。

 

『今日そっちに行く。予定通り明日の夕刻に那覇市で落ち合おう』

 

3泊するうち、2日目の夜にレイコと会う約束をしていた。

 

事前に何度も電話でやりとりして仲良くなっていたので、ドタキャンさえ無きゃ会えるな。と確信した。

 

写メも交換していたが特に印象は無く、沖縄の女子はどんなかな〜、くらいの気持ち。

 

この時はまだ気楽に楽しく遊べれば大成功。

 

その程度の気持ちだった。

 

2日目の夜

1日目は会社の団体行動のスケジュールがギチギチだった為、同僚達と観光した。

 

2日目の夜のフリータイム、予定通りレイコに確認のメッセージを入れた。

 

『1時間後に待ち合わせ場所にいくからよろしくね』

 

ばっちり返事も帰ってきて、島んちゅ女子との遊びの計画は順調に思えた。

 

 

 

しかしここで問題が起きた。

 

僕の部屋は会社の面倒な同僚と一緒になってしまったのだが、この同僚が

 

「フリータイムに皆で飲みに行くからお前もこい」

 

と言い出したのである。

 

当然断ったが、理由をいちいち聞いてきてウザかったので、その場は『わかったよ』と言った。

 

そしてその同僚がシャワーを浴びだした瞬間

 

「あばよ!俺は今からエレガントなレディーとデートなんだ。じゃあな!」

 

そう言って部屋にヤツを置き去りにして待ち合わせ場所に向かった。

 

 

 

ホテルの外に出ると沖縄市街が夕暮れに染まり、感動する程美しかった。

 

まじでエレガントだ!はははは!

 

テンションが上がっていた。

 

那覇市の待ち合わせ場所に着くと、丁度良い時間。

 

レイコから着信が入り、電話をしながら接近して初対面を終えた。

 

沖縄特有な顔立ちで写メより大分可愛い感じ、性格も穏やかな女性という印象だった。

 

 

おみやげ屋を巡りながら、最初に開放的なBARで乾杯したが、これもまた外の風が静かに流れ込む風情のあるBARで、沖縄の素晴らしさを早くも感じていた。

 

話をしているとかなり純粋な事がわかり、こうやって男性と飲むのもあまりした事がない、との事だった。

 

僕も軽いほうだが、今までこういうネットの出会いは女も軽い奴が多かったので、かなり珍しいタイプの女性だった。

 

そして2件目でお酒も回り彼女の話を色々と聞いていくうちに、その純粋な心にいつしか惹かれていた。

 

軽い気持ちで会って、気持ちがこんな状態になる事はあまりなく、今回の僕は完全に恋に落ちていた。

 

 

 

その後は静かな那覇市街を夜の海へ散歩して、一緒に写真を撮ったり外で歌を歌ったりした。

 

そこにはいつもの出会い系マニアの気持ち悪い僕ではなく、純粋で穏やかな心を持った青年が降臨していた。

 

長いまつ毛に綺麗に輝くアーモンドアイ。

 

それは見つめられるだけで僕を心の底まで魅了していった。

 

数年間こんな気持ちを忘れていた僕は、沖縄の夜の潮騒の中で、レイコのかけた魔法を解く事ができない。

 

別れ際に思わず言ってしまった「絶対また会おう」に、彼女は確かにうなずいていたと記憶している。

 

 

 

 

旅行が終わってしばらく連絡をしていたが、遠かったこともありいつしか連絡もしなくなり時は過ぎた。

 

だいぶ月日が経った今でも、あの子は今頃どうしているだろうか?と思う事がある。

 

あの夜に、二人で散歩していた途中に通りかかったレイコの家の前で、「ウチに寄ってく?」と言われたのを思い出した。

 

その時は親と会うのが恥ずかしくて断ってしまったが、あの時、そのまま彼女の家に寄っていたら今頃どうなっていただろう。

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